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千原英喜:「無声慟哭」無伴奏混声合唱のための

JPY: 1,600 yen

数量:
編・著者名
作詩:宮澤賢治/作曲:千原英喜
判型/頁
A4判/36頁
JAN
4962864948743
ISBN
978-4-7609-4874-1
演奏時間
ca.18’
シリーズ
合唱統一表紙混声
発売日
2026.07.25

同時に発刊の新刊「松の針」と同じく、宮澤賢治の妹への強い思いを綴った詩に深く寄り添った作品。厳しさと重厚さを併せもった単一楽章作品である。グレード中~上級

無声慟哭(約18分)

無声慟哭幻視(ファンタジア):このとざされた病室の、くらい屏風のかやのかげから、何やらもくもくと瓦斯(ガス)のようなものが湧き出してきた。その怪しげな瓦斯の雲の中から、灌木(かんぼく)にまじって毒草や蛍光菌が不気味に茂る野原が見えてくる。と、LoLoLoLo・・、あれは風の音か、それとも誰かが哭いているのか。LoLoLoLo・・。ややっ、このくらい叢(くさむら)を、外套(マント)を纏(まと)い彷徨(さまよ)っている鬼が見える。いや鬼ではない。人か、ーーぎょっ!な、なんと賢治ではないか!!。※1


 Con fuoco, all’impazzataのperupetuum mobile(常動曲)的楽想は、賢治が現実世界の絶望と仏の世界での救済との間で激しく揺れ動き、闘い、自分の中の修羅の心と慈悲の心のせめぎ合いのなかで苦悩している、とのイメージを16分音符の踊り狂うような音楽書式に反映させたものである。私はこれまでに「永訣の朝」「松の針」を書き終えたが、無声慟哭・三部作もいよいよフィナーレとなる曲だ。詩から浮かび上がる情景を、印象を、幻想を、余すところなく書き尽くしたいと作曲した。
 ところで賢治の手紙にこんな言葉がある。「どうかご信仰といふのでなくてもお題目で私をお呼び出しください。そのお題目で絶えずおわび申し上げお答へいたします」。※2
 人々の幸せのため、この世の幸福のため、賢治の魂は呼ばれるのを待っているというのだろうか。ならば、お題目を降霊術的に唱えてみよう。賢治降臨なるか!との思いで、 “ナームサダルマ プフンダリーカ サスートラ※3”と歌わせてみた。


※1 これは詩の一般正当な解釈ではなく、私のイマジネーションに依るところが大きい。
※2 昭和6(1931)年9月21日家族宛書簡。賢治は出張先の東京で発熱。にわかに体調重篤となり一時は死を覚悟した。この手紙は遺書とすべく書かれたもの。
※3 ナムサダルマプフンダリカサスートラ=“南無妙法蓮華経”のサンスクリット原語、賢治の表記による。ちなみに彼が日々唱えていたお題目は「なんみょうほうれんげきょう」。

                                         
千原英喜


収載曲

作曲者:
千原英喜
Chihara,Hideki
作詞者:
宮澤賢治

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千原英喜:「無声慟哭」無伴奏混声合唱のための

JPY: 1,600 yen

数量:
(c)edition KAWAI, a division of Zen-On Music Co., Ltd.