• 男声合唱/オリジナル

三宅悠太:「修司の海」男声合唱とピアノのための

JPY: 1,800 yen

数量:
編・著者名
作曲:三宅悠太 作詩:寺山修司
判型/頁
A4判/52頁
JAN
4962864891483
ISBN
978-4-7609-1800-3
演奏時間
18分
編成
P男4
発売日
2020.09.01
2019年12月、早稲田大学グリークラブによる委嘱初演。
寺山修司の「海」にまつわる短歌・詩作品がテキストになっており、全体の物語性を大事に選出されている。寺山の「海」とともに描かれる孤独感、憧憬、追憶は様々なスタイルで表出され、終曲では作曲家ならではの大きなうねりと解放された音楽が響き渡る。協奏するピアノも本作品の重要な役割を果たしている。
男声合唱の新たなレパートリーとして、年代問わず取り上げてもらいたい作品。全5曲。
グレード:中級
<まえがき>

「海」は彼の原風景なのだろうか――寺山修司の全集を手に取り数多の詩句に接していると、描かれる孤独に、憧憬に、追憶に…いつも「海」がある――彼の言葉に感化され、誘(いざな)われ、やがて音楽の律動が生まれ、この「海」をテーマにした全5曲から成る男声合唱組曲が完成した。早稲田大学グリークラブの2019年委嘱作品である。

Ⅰ.海を知らぬ少女の前に/かなかな啼けり
組曲のプレリュードとなるのは、修司が15歳の時に綴った短歌。言葉から溢れる瑞々しい青春の広がり…そのエネルギーを全身に浴びるような音を紡ぎたいと思い筆を進めた。切れ目なく演奏される後半の「かなかな啼けり」にも少女が登場する。病床の少女と、薄命を燃やし啼いている蝉との共存。修司の言葉はあまりに美しい。

Ⅱ.半分愛して
‘のこりの半分でだまって海を見ていたいのです’――吐露される言葉を歌い上げる、ブルース調の音楽。情感が自然な形で表出することを願い、ホモフォニックなテクスチュアを基調としている。

Ⅲ.海のない帆掛船/泣いたままの壁の絵
2つの句に感化され、空虚と孤独の質感に支配されるような、静的かつ内向的な音世界を目指した。組曲の中間部分にあたり、インテルメッツォ的な性格を孕む。ピアノパートにはハーモニクス奏法が終始用いられ、あらゆる響きが共鳴し、瞬間瞬間に心象が刻まれてゆく。

Ⅳ.サンゴ
少女の問いが起点となり描かれていく、一つの物語。詩の展開とシンクロするように、コントラスト豊かに音楽のシーン変化が描かれていく。中間部のアカペラに入る直前に束の間暗示されるピアノ間奏の旋律は、終盤にコラール旋律となってコーダが形成される。

Ⅴ.かなしくなったときは
修司にとって「海」とは何なのか――ひとつの帰結点のようにも感じられるこの詩を、組曲のフィナーレに置くことにした。これまでの緊張や混沌から解放され、純化・浄化されゆく章として構想したものである。

2019年12月、東京芸術劇場に響き渡った早稲田大学グリークラブによる美しい初演。透明さと深淵さは繋がっているのだということを教えてくれた、忘れ得ぬ機会となった。そして、私の友人であり尊敬する音楽家である、指揮者の相澤直人氏・ピアニストの渡辺研一郎氏のお二人に命を吹き込んでいただけたことは、作曲者として大変に幸せなことであった。此処に改めて感謝の意を表したい。

この楽譜を手に取ってくださったお一人お一人に、心より御礼申し上げます。
三宅悠太

音源は早稲田大学グリークラブ様よりリンク許可を頂きました。

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三宅悠太:「修司の海」男声合唱とピアノのための

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