作曲:A. カゼッラ
校訂:関 孝弘
菊倍判/48頁
グレード:中級
演奏時間=約 26分40秒
ISBN 978-4-7609-0492-1
イタリアの作曲家アルフレード・カゼッラ Alfredo Casella(1883-1947)の子どものために書かれたピアノソロ作品と
広く大人向けにも書かれた作品3点を収録。
カゼッラ個人の曲集としては本邦初の出版。
「子どものための11の作品」と「カクテル・ダンス」「悲しき子守歌」「パヴァーヌ」の全14曲。
イタリアの美しい澄んだ空気、空、山並み、海…といった風景が思い浮かぶような透明感あふれる世界が
カゼッラの特長の一つである。
技術的には、オクターブがほとんど無く、子供向けによく考えられた作品。
近代(新古典派)の語法が用いられている。校訂者による解説付き。
1 「前奏曲(子どものための11の作品op.35より)」(1’10”)
2 「全音階のワルツ(子どものための11の作品op.35より)」(1’15”)
3 「カノン(子どものための11の作品op.35より)」(1’00”)
4 「ボレロ(子どものための11の作品op.35より)」(1’20”)
5 「クレメンティを讃えて(子どものための11の作品op.35より)」(1’00”)
6 「シチリアーナ(子どものための11の作品op.35より)」(2’45”)
7 「ジーグ(子どものための11の作品op.35より)」(1’20”)
8 「メヌエット(子どものための11の作品op.35より)」(3’40”)
9 「オルゴール(子どものための11の作品op.35より)」(1’00”)
10 「子守歌(子どものための11の作品op.35より)」(2’20”)
11 「最後のギャロップ(子どものための11の作品op.35より)」(1’00”)
12 「カクテル・ダンス」(1’40”)
13 「悲しき子守歌 op.14」(3’30”)
14 「パヴァーヌ op.1」(3’40”)
校訂者あとがきより
日本で、初めてカゼッラのみのピアノ作品集が紹介されることをたいへん嬉しく思います。カゼッラは1800年代のオペラの国イタリアに、ピアノという純器楽の世界を復興させた、音楽史の中でもたいへん重要な人物です。 カゼッラにピアノを習った作曲家・ピアニストのカミッロ・トーニは、私が留学したブレーシャの出身で、何回かお会いしたことがあります。またカゼッラ版の未完を完成させたカゼッラの高弟グイド・アゴスティは、私のピアノの師の一人です。 彼らからは、時々カゼッラの話を聞いており、私自身なにか身近さを感じ、この楽譜の校訂には心を込めてあたりました。 ここで紹介した作品はほんの一部です。まだまだ素晴らしい作品が沢山あることを、お伝えしておきたいと思います。 また、カゼッラは早くからピアニストとしても活躍していた人物です。当時シューベルト、シューマン等ドイツ・ロマン派音楽というものは、イタリアではほとんど演奏される機会がありませんでしたが、彼は聴衆も新しい音楽に接触して育たなくてはならない、と考え率先してこれらの音楽を演奏していました。 〜後略
2010年6月 関 孝弘 |